1.“幸せ”の追求がビジネスの成長につながる訳

こんにちは。読者の皆様がこのブログにアクセスしてくれたことにまずはお礼を申し上げます。さて、そんな愛すべき読者の皆様は、心から“幸せ”だという状況にいますでしょうか?



 

“幸せ”になりたいけど、実感できない。“幸せ”って何?努力しているけど報われない。粉骨砕身の思いで経営にあたっているが社員がついてこない。素晴らしいものを世に出したいけどヒットしない。ノルマを達成する為に夜討ち朝駆けで頑張っているけど報われない。頑張れば頑張るほど周囲のメンバーから疎遠にされる。。。。“幸せ”とは何かを的確に表すことは難しいけれど、不幸な現状を挙げようとすると、その例は枚挙にいとまがありません。

 

かくいう私も、一度精神的には不幸のどん底を感じる時期がありました。しかし、たった一つの考え方を変えることによって運命が逆転し、事業成績優秀者となり、今ではビジネスを通して皆さんにも成長の喜びを感じてもらうことを目標に自社の経営に勤しんでいます。これからその「たった一つの考え方」について述べていきたいと思います。

 

「こんなに頑張っているのに何で結果が出ないんだろう?」

そう思い悩んでいる人はどのくらいいるのでしょうか?残念ながら、そのように考えているうちは幸せを感じることは難しいですし、結果が出るには長い時間がかかるかもしれません。

 

「私はそんなに大きな欲もない。ただ幸せになりたいだけ」

そう考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらそのように幸せのバーを下げてみても、転がり込んでくる幸せに出会うにはとても長い時間がかかってしまうかもしれません。

 

私は当時、大手外資系IT企業のエンジニアとして入社した後6年が経過し、営業に職種を変更したばかりでした。エンジニアとしてはそれなりに“イケてる”エンジニアだったと思っていた私は(笑)、当然製品知識については、一貫して営業畑を歩んできた同僚よりも自分の方が豊富であるという自負もありましたし、人と接することも好きであったので、「営業なんて楽勝」と高を括くっていました。高を括っていたとはいっても手を抜いていたわけではありません。目一杯提案活動をし、購入のお願いをし、エンジニアにも細かい指示を出し、1日の睡眠以外のほとんどの時間を仕事に費やしていました。そんな活動の結果として私に起こったことは、、、

 

“お客様からは出入り禁止を言い渡され”

“エンジニアからは総スカンをくらい”

“やっと契約にこぎつけられそうになった案件は、上司の判断で同期の売れっ子営業に渡されてしまいました”

 

「一気にトップセールスになるぞ!」という野心は吹き飛び、心の安定も失った私は、“幸せ”とはかけ離れた状況にありました。追い詰められた私は、逆にこれまでの自分はどんなときに“幸せ”感じたのだろうか。。。と考え始めました。たどり着いた答えは、

 

どうやら私は、お客様から「ありがとう」と言われたときに自分は幸せを感じるらしい。。。

 

という事でした。また、周りの様々の人に聞いても同じような回答が多かったのです。しかし、何故ヒトから「ありがとう」と言われると幸せを感じるのでしょうか?考え抜いた結果、一つの答えにたどり着きました。それはおそらく、「ありがとう」という言葉は感謝のことばであり、言い換えれば

 

「貴方がいてくれてよかった」

 

という意味であるともいえます。私が何かをし、それによって相手の何かを助けることができて、その結果に対して 「貴方がいてくれて助かった ありがとう」  となるのです。それは自分以外の第三者に己の存在価値を認められた瞬間であり、「僕は/私は 生きている!」と自認することができ、“幸せ”を感じることができるのだ と私は結論付けました。そして目から鱗が落ちたのです。どういう事かというと、それまでの私は、

 

お客様はお客様の都合があるのだが、俺は一生懸命提案しているこの商品を売りたい

エンジニアにはエンジニアの都合があるのだが、俺は一生懸命考えたこの案に従ってもらいたい

 

という形になっていて、つまり周りの人の“幸せ”と自身の“幸せ”は全く別物だったのです。しかし“ヒトから「ありがとう」と言ってもらうときが幸せ”だと気づいた私は、

 

相手の幸せ(助かった!ありがとう!) = 自分の幸せ(僕は/私は 生きている!)

 

だと気づいたのです。これに気付いた瞬間から一気に運命が逆転し始めました。簡単な事でした。相手が困っている事/望むことを理解し、それを叶える活動を繰り返すことによって、小さな“幸せ”が積み重なり、結果的にお互いの信頼関係が構築され、営業成績もみるみる上がりました。

 

その後、この考えに対して哲学的な意味を加味し、

「この“幸せ”のサイクルは“相手”が正しい人であることが前提である」

というルールを加えました。つまり例えば、“相手が詐欺師で、うまく人をだませなくて困っているので、だます手助けをする” というようなことはしない。 という事です。

 

この考えを意識するようになると、横断歩道を渡りきれず狼狽しているお婆さんを助けることも、だんだん躊躇せずできるようになり、簡単にほっこりとした小さな幸せが手に入るようになります。また、相手の困難/期待に応える活動を通しての“幸せ”のサイクルは趣味にもボランティアにも応用できます。しかし私は、日々の仕事を通してこのサイクルを紡ぐことにこだわりたいと思っています。何故ならば、会社間も、地域間も、国家間も、多くは経済を通して相互につながっており、仕事を通しての“幸せ”のサイクルが最も大きな輪に育てられる可能性が高いからです。そうです。“幸せ”を追求すると、ビジネスが成長するのです。

 

それでは、この考えさえ貫いていれば、経営者は事業に成功し、夢を実現し幸せになり、スポーツ選手はトッププレイヤーになり幸せになり、アーティストは多くのファンに認められ幸せになり、ビジネスマンは成果を出し続け幸せになれるのでしょうか?

 

答えはYesなのですが、残念ながら、人生はそこまで簡単ではありません。確かに、この考えを貫くと運命は確実に好転します。しかし期間を経ると少しずつ考えにずれが生じることがでてきます。何が邪魔するのでしょうか?多くの場合、それは“欲”です。私は“欲”は必ずしも悪いものだとは思いません。“欲”があるから努力精進し能力が向上することもあります。大事なのは、“欲”をコントロールすることです。

 

次回は、この“欲”のコントロールについて書かせて頂きたいと思います。