2.“欲”をコントロールする為に必要な事

読者の皆様、こんにちは。再び皆様がこのブログにアクセスしてくれたことにまずはお礼を申し上げます。



 

さて、前回は相手の幸せに貢献する(手助けをする)という考えを中心に思考、行動することにより、結果相手から感謝され、自身も幸せを感じる。その“幸せ”のサイクルを通して信頼関係が強化されビジネスや自身が志す様々なエリアにおいて結果が出続けるというお話をしました。

 

しかしながら、このシンプルなサイクルを延々と継続する事は意外と難しいです。このサイクルを続け、結果を出し続け、成長し続けると、ある邪魔者が登場するのです。それは何でしょうか?

 

それは、“欲”です。

 

これはある意味、考え方の揺り戻しとも言えます。つまり、自身の夢や成功に固執するあまり、周囲の人々との乖離が広がり夢や成功から遠ざかってしまう状況を打開するために、逆転の発想で、相手の“幸せ”に貢献することに集中すれば、結果的に自身の夢や成功につながる。。。しかしその具体的な結果を実感し始めると、また目線が自身の夢と成功にシフトし始めてしまうのです。

 

自分の続けてきたことは正しく、結果もついてきた。年収1000万円も実現したから次は2000万にしたい。部長になったから次は取締役になりたい。日本代表になったから次はメダリストになりたい。メジャーデビューしたから次は米国でも有名になりたい。等の“欲”は留まるところを知りません。すると、自身の新たな夢や目標と、現在の自身の立ち位置とのGAPを感じ、再び焦り、ストレスを感じるようになります。

 

しかし、私はこの現象を悪いことだとは全く思いません。むしろ自然な事です。そして具体的な解決方法もあります。それをこれからお話しします。

 

まず、一番やってはいけないことは、「“幸せ”のサイクル」の考えから離れてしまう事です。これは鉄壁の考え方ですのでこの考え自身は維持するべきでしょう。しかし、このサイクルと頭をもたげてきた自身の新しい夢や目標がどうリンクするのかが整理されていないためにストレスを感じるようになるわけです。これを整理するためにすべきことは何でしょう?

 

それは、“計画”を立てることです。

 

「なんだ。。。そんな当たり前の事か」と思いましたか?

そう、そんな当たり前の事なのです。しかし意外と、これを粛々と続けている人はいないのです。逆に、これを粛々と続けている人は、やはり粛々と実績を積み重ねています。有名人で言うと、メジャーリーガーの大谷翔平選手は「目標達成シート」なるものを作って、そこに緻密な計画を落し込んで、成功を積み重ねることを続けています。ここで重要なことは、“緻密”な計画を立てることです。“緻密”でないと実現には近づけません。

 

つまり、頭をもたげてきた、現在の自分とはまだ乖離のある大きな“夢”を漠然として欲望とするのではなく、目標として設定し、それに達成する為の道のりの“計画”として定義する。これが緻密である必要性は、緻密に記述することにより、日々の活動に落とし込むことができ、そしてその日々の活動は、周囲の人々の期待を想定し、それに応えるという活動の積み重ねであり、ここで改めて“幸せ”のサイクルの考えに回帰できるのです。しかし、ここで一つ注意すべき点があります。それは、

 

夢は崇高でなくてはならない

 

という事です。なんだなんだ、、、お前の正体は宗教家だったのか?と言われそうですが、そうではありません。(笑)私は実業家です。私自身もこの考え方に基づき、日々成長を実感しておりますし、すでに大きな実績を収めている京セラの創業者である稲森和夫さん等も同様の考え方で数々の実績を残されていることはその証左だと言っても良いのではないでしょうか。

 

話を、「夢は崇高でなくてはならない」に戻しますね。

具体的に言うと、将来の夢を“10億円の財産をつくりたい”とか“大きな別荘を作って愛人を住まわせたい”といった俗物的なものにしてはいけないという事です。俗物的な夢を持つと、その瞬間に“幸せ”のサイクルから逸脱してしまいます。「崇高な夢とは」とは例えば、

 

「〇〇を通して、全人類が進歩発展をすることに貢献する第一人者となる」

 

といった様なものです。〇〇の部分が、現在ご自身が活躍されている業界になりますね。“サッカー”かもしれませんし、“AI”かもしれません。“全人類”の部分はどうスケールにするかによって変わりますので、“日本”でもよいですし、“茨城県”でもよいわけです。“第一人者”という表現は曖昧に感じるかもしれませんが、それでよいと考えています。少し個人的な考えを述べさせていただきますと、最も理想的な世界の在り方とは、

 

「地球上の個々の人々が、自分以外の地球上の全ての生きとし生ける物の尊厳の維持に貢献し、また貢献している自身を認識することで自身の尊厳を高めている有様」

 

だと考えています。これはなかなか否定が難しい定義だと思いますので、敢えてそうしました。これはそうそう簡単に実現できるものではない究極の世界ですが、大事なのはこれを実現する事を目指す姿勢を維持する事です。この理想の世界は、少なくとも私を含めて、このブログをお読みいただいている皆様が生きている間に実現することはないでしょう。なのでこの理想の世界の実現に最も貢献した人を決めることも不可能です(実現していないので)から、勝手に自分が

 

「自分は最もピュアな気持ちでこの理想に貢献してきたんだ!」

 

と言い切れれるだけで良いと思います。なので敢えて”第一人者“という曖昧な表現にしました。そして”年収2000万“、”取締役“、”金メダル“、”米国メジャーデビュー“といったものは通過点とすればよいのです。夢が崇高であれば、これらの通過点は唯一のものではなくなります。例えば100M走のオリンピック金メダリストを目指す選手が、交通事故で足を切断することになっても、通過点としての金メダリストは諦めることになるかもしれませんが、”崇高な夢“は維持できますので、コーチとして再出発する事やパラリンピックをめざすことへの切り替えも選択してとして見えてくるかもしれません。

 

さらにここで、“崇高な夢”の重要なポイントを皆様と共有させて頂きます。既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの“崇高な夢”は「誰も達成できない」と言えると同時に「だれでもいつでも達成できる」とも言える事です。

 

「ちょっと待って。混乱してきたゾ」と言われちゃいますよね。ごめんなさい。説明します。

そもそも前述の“最も理想的な世界”の実現は少なくとも数百年以上先になるでしょう。なので、自分が死を迎える瞬間に、自分が理想の世界実現に何%貢献できたかを明確化することは不可能です。なので、“崇高な夢”は“金メダル”や“2000万”といった“点”ではなく、貢献する活動を維持し続けるという姿勢、つまりは”点”ではなく“線”なのです。

「〇〇を通して、全人類が進歩発展をすることに貢献する第一人者となる」

という夢が達成したか否かを客観的に証明できる術はありませんが、自身の心に一点の曇りもなく、

「人生を“人類の進歩発展”に捧げてきた」

と言えるのであればその瞬間は夢は達成したと言えます。

なので、“崇高な夢”は「誰も達成できない」と言えると同時に「だれでもいつでも達成できる」とも言えると表現したのです。

 

このような考え方が身に付きますと、“余生”という概念がなくなってきます。自身の人生が終わるときに、自分の人生が成功したか否かについて審判を下すのは自分自身ですから、、、まあ自分に嘘はつけませんので。世の中に貢献し続けるために、やるべきことが次から次へと出てきて充実した楽しい毎日が送れます。逆に、仮に不幸な事故が起こり、命が絶たれることがあったとしても、それまでの数カ月、数週間、数日でも良いかもしれませんが、

 

自身の心に一点の曇りもなく、「人生(この数カ月/週間/日 を“人類の進歩発展”に捧げられた」

 

と言えれば、あなたの“崇高な夢”は達成したことになります。

 

突然ですが、皆様、“死ぬ”事は怖いですか?普通の人は怖いと感じますよね。“死”というのは非常に大きなテーマですから、“死”が怖い理由については様々な説があるかと思いますが私自身は、このように考えています。

 

例えば、、、

私の夢は、自分の会社を1兆円企業にすることだ。

私はこの夢を実現する為にあらゆることを犠牲にしてきた。

この夢の実現まで、事業計画上はあと3年かかる。

昨日、癌検診を受けてきた。末期の癌が見つかって余命3カ月を告げられた。

俺の人生な何だったんだ。死にたくない。死ぬのが怖い。

 

つまり、夢の実現に邁進してきた時に、それを寸断されることが怖いという例です。

お気づきの通り、このケースでは、夢を点としてとらえています。しかし前述の通りの“線”としての夢をもてばいつ命が絶たれても充実した人生だと言えます。私自身、“崇高な夢”を持つことのメリットの一つは、

 

“死”の恐怖を克服できたこと

 

だと感じています。人間には寿命があり、いつか死ぬというために、生きている間にできるだけいい思いをしたいと考え、様々な謀略などが起こったりしますので、“死”の恐怖を克服することは“最も理想的な世界”に近づくことにも大きく貢献すると思っています。

 

なるほどなるほど。理論的にはそうかもしれん。「って筆者よ!お前どれだけ仙人のつもりなんだよ!」とお感じになった読者の方もいらっしゃるかもしれません。(笑)大丈夫です。(何が?) 私は普通の実業家です。実務を進める上で、様々な困難にぶち当たり、その刹那刹那はくじけそうになりますが、これまで皆様と共有してきた考え方を持つことができたおかげで、その考えに立ち返り、自己中心的になることなく、発展的な発想でビジネスを進めることができています。普通の人だからこそ、この考え方が大事なのだと思います。天才的な人は、このような事を考える前に偉業を成し遂げてしまったりしているのかもしれませんね。でも、そういった天才肌の人も偉業を成し遂げた後に苦境に陥ったりしますので、その時にこの考え方は生きてくるかもしれません。

 

因みに、前回と今回のブログで述べてきた考え方の基本的な部分は“中村天風”という思想家の考え方の影響を受けており、これを実生活に活かすために様々な工夫を加えたものが、ブログに書かれた内容だと思ってください。松下幸之助さんや稲森和夫さん、最近では大谷翔平選手等の著名人が“中村天風”さんの考え方の影響を受けているようです。興味のある方は著書を読んでみてください。1冊1万円以上の豪華本から単行本までありますが、個人的には「運命を拓く 講談社」が比較的読みやすいと感じました。

 

さて、このブログは実業家の方々をはじめとする様々な層のBusiness Men/Womenを前提として書かせて頂いております。今回は先に言及した

 

“夢”と日々の活動である“幸せ”のサイクルをリンクさせる“計画”

 

まで触れる予定でしたが、少し長くなりましたので、それについては次回、より具体的にお伝えしたいと思います。